Lahore(ラホール4日目)
〜VIP級の方々に身も縮こまる日〜
今日はタイトルにもあるように、いろんな大物との面会を果たす。
日本人だからか、それとも、私が無知なのか?
わからないけれど、ものすごい大物と会った!という実感がわいてこない。
でも、普通に旅行に行くだけだったら、こんなことありえない。
大学の先生と同行しているからこそ、のとんでもないオプションつき旅行。
そう考えると、ものすごく貴重な体験である。
と、その前に、朝はお買い物。
8/25にシャルワールカミーズやチューリヤーンを買いに行った、アナールカリー・バザール。
パキスタン生活も何やかんやでもう1週間になるが、やはりイスラムの国・パキスタン。
どこへ行っても、男社会。どうにも落ち着かない。
だけど、ここアナールカリーにはシャルカミなどの服をはじめ、
チューリヤーンやピアス、ネックレスなどなどの装飾品が豊富にそろっていて、
たくさんの女性がここへ買い物に来ている。
女性がいると、それだけで何だかホッとする。
さて、まずはチューリヤーンを探しに。
友達のおみやげに、ということで、色のきれいなチューリヤーンを大量購入!
何たって、ガラス製のチューリヤーンだったら、一箱10〜20Rs(20〜40円)なんだもん。
ガラス製は、前にも言ったとおり割れやすいんだけど…。
↓左の写真がガラス製。
右はアルミ製かな?落としても割れません。
が、ちょい高め。50Rsくらいしたかな。
そんなわけで、「そこの棚のココからアソコまで全部いただくわ☆」と、ジャクソン買いを敢行。
とりあえず、出されたものを手当たり次第買ってみた。
コレは日本じゃ到底できない。
それから、アンクレットも。
店先で友達とやいやい言いながら見ていたら、
店のおっちゃんが出てきて、コレもアレもと次々と商品を出してきた。
全部かわいかったので、これまたたくさん買ってしまった。
といっても、4つだけ。
おっちゃんの口車に乗せられてたまるか、とねばって負けさせたし。
アナールカリーをあとにし、次の目的地は本屋さん。
フェローサン(Ferozsons)という、かなり大きめの本屋さんです。
フェローサン発行の本もいろいろと出ていて有名。
大学の授業で大活躍のウルドゥー語辞書3冊もココの書店のものだったりする。
(3冊とは、English-Urdu、Urdu-English、Urdu-Urduの辞書)
↑アマゾンでもフェローサンの辞書が買えちゃったりする。凄いですね。
フェローサンは大きな本屋だけあって、興味深い本がたくさん。
いつまで見ていても飽きない!
そして、私はポケットサイズの英英ウル辞典を購入することに。
英英ウルとは、英英辞典にウルドゥー語の単語も載っている辞書。
ICOCAと大きさを比べてみた。かわいらしいサイズです。
この書店の購入方法はちょっと変。
買いたいものを一旦カウンターに持って行って、レシートを先にもらう。
そして、そのレシートを別のレジカウンターまで持って行き、精算をする。
うーむ、便利なのかどうか、何だかよくわかりませんなぁ。
お昼はやっぱりサンゲミール書店にて。
もうホントに毎度毎度すみませんです。でもやっぱオイシイ★
今日は、書店に行くと、T先生がいた(先生については、8/26のきこーを参照)。
わぁ♪何かうれしいな。
さすが、T先生のウルドゥー語はやっぱりわかりやすい。
パキスタンに来て現地の人とウルドゥー語で交流しようとしても、
めちゃめちゃ早口なので(きっとアレで普通なんだろうけど)、うまくついていけない。
でも、T先生は学校でいつも聞き慣れているしゃべり口だからか、耳にスムーズに入ってくる。
ちょっとだけホッとする瞬間。
そして、本日のVIPご対面パート1!
えっ誰?!って感じだと思いますが…。
左側の方は、インド=ムスリム詩人・思想家であるムハンマド・イクバールのお孫様だそうです。
おぉー。イクバールって学校の授業にも出てきてたな。
この方のおじい様であるムハンマド・イクバールといえば、
現在のパキスタンの礎となる思想を唱えた人。
8/26に行ったバードシャーヒー・マスジッドから見えた、ミナーレ・パキスタン(パキスタンの塔)。
あの塔は公園の中に建てられているのだけど、その公園の名前が「イクバール公園」。
名前が由来になってしまうほど、パキスタンではすごい影響力を持った人なのです。
パキスタン建国の父「カーイデ・アーザム(Quaid-e-Azam)」こと、ムハンマド・アリー・ジンナー。
パキスタンで流通している紙幣には、ジンナーの肖像が印刷されているのですが、
(↓こんな感じです。パキスタン紙幣はボロッボロのヘロッヘロです。)
そのジンナーが1940年に唱えた「ラホール決議」の中に出てくる「Two
Nation Theory(二民族論)」
(「インドのヒンドゥー教徒とイスラム教徒は全く異なる民族」)の考えは、
イクバールの思想に強く影響を受けたものだと、ジンナー本人も認めているのだとか。
このイクバールを端に発したジンナーの「二民族論」があったからこそ、
元々の歴史も文化も民族も言葉も同じであるはずの「インド」は、1947年に分離独立という形を迎えて、
一方の国家はヒンドゥー教を信じ、デーヴァナーガリー文字とサンスクリット系の単語を用いたヒンディー語を話し、
もう一方は、イスラム教を信じ、アラビア文字とペルシャ・アラビア系の単語を用いた
ウルドゥー語を話す民族の国家となったのである。
もちろん、前者は現在のインド、後者が現在のパキスタンです。
そう、イクバールがいなければ、今のインド、今のパキスタンは存在しなかったかもしれないのです。
そんなすんごい影響力をもった人物のご子孫とご対面できたのでした。
うーん、感慨深い。
おぉ、何か学校で勉強したことがココでフルに活かされているぞ。
いったんホテルに戻り、休憩。
ほどなくして、またバスに乗り出発。
続いてのVIPご対面パート2!
今度は、ジャマーアテ・イスラーミー(イスラーム党)の幹部の方々。
(ジャマーアテ・イスラーミーの説明は、8/27のにっきを参照)
8/27のペシャーワル出発前にもお邪魔した、党の施設を再び訪れる。
前回と同じように、ドゥーパッタを頭から羽織って準備万端。
しかし、一度来た場所にもかかわらず、施設内に漂う何ともいえない空気が緊張感を誘う。
ジャマーアテ・イスラーミーの最高幹部のお二人と面会。
党No.1である幹部の方は、何と、次期首相候補という、ものすごい大物であった!
多忙の中、わざわざ時間をつくってくれたのだという。恐縮です。
お話を聞いていると、昨日のラホール博物館で会った大東文化大学の人たちが来た。
8/27に登場したハーシミーさんを大学にご招待した縁があるそうです。
私たちは別のお部屋へ移動し、お茶とお菓子をご馳走になった。
パキスタンのお菓子は…甘いか油っこいかのどっちかなのでちょっと苦手。
お茶請けにはちょうどいいのか?
ちょうど目の前にあったグラブジャーマンをいただく。
…甘ッ! 食べる前からわかってたけど、めっさ甘っっ!!
ちなみに、グラブジャーマンとは、パキスタンのポピュラーなお菓子の一種で、
わかりやすく説明すると、丸いドーナツのシロップ漬け、といった感じ。
お茶をいただきながら、党No.2の方とお話をする。
アメリカに対してどのように考えているか?ということを質問された。
私は、「日本人は何でもアメリカがすごいと考える傾向があるけれど、
アメリカばかりがすごいのではないと思う」というような意見を述べた気がする(うろ覚えだが)。
その意見に対して、No.2の方は大きくうなづいていた(と思う。これもうろ覚えだが…)。
うむ、No.2という高い地位の人の意見ともなると、それがイコール、イスラーム党の思想なんだと思うが、
お話を聞いていると、やはり、ジャマーアテ・イスラーミーは反アメリカ的な考え方で、
改めて、彼らはイスラム原理主義なのだな、と実感。
見た目は全然普通のパキスタン人なのに、という言い方はさすがに失礼に当たるが、
おぞましい「2001年9月11日」の事件を引き起こした、あのアルカーイダもイスラム原理主義なわけで、
あの彼らと同じ系統の思想をもつ団体なのだと思うと、いろんな意味で緊張感が走る。
あ〜、こういう書き方をすると、妙な誤解を生んでしまう恐れがあるので、解説を補います。
あの未曾有の大事件は、イスラム原理主義の中でも超過激派が起こしたものであり、
必ずしも、イスラム原理主義は聖戦と称した戦争を好む団体である、という捉え方は一概にできない。
その例として、サウジアラビアはイスラム原理主義の系統を成す宗派であるという。
確かに、イスラム原理主義はイスラム教の中でもかなり「右」な向きはある。
だが、それはあくまで「イスラムの原点に回帰しよう」という考えのもとに起こっているもので、
単に彼らが血を好んでいる、ということではない。
話が本筋からずれることを恐れずに話を進めるが、
原理主義どころか普通のイスラム教ですら、どうしてもマイナスイメージがつきまとう。
日本で報道されるイスラム関連のニュースというと、「自爆テロ」だの「戦争」だのといったものが多く、
イスラム=「聖戦(Jihad)」=戦争・怖いという印象になってしまう。
それらが実際に起こっているからどうしようもないのだが、それがほんの一部だということは報道されない。
そもそも、イスラムは平和を愛する宗教であるという認識も、日本どころか世界全体的に低いように思う。
イスラムには「アッサラーム・アレイクム(Al-salaam
alaikum)」というムスリム共通の挨拶があるが、
訳すと「May peace be upon you(あなたの上に平安が訪れますように)」という意味の、素敵な挨拶なのだ。
イスラムに対する間違ったイメージが、一日でも早く拭い去ることが出来たらいいのに、と願うばかりです。
話がちょいと横にそれました。
今日のこの貴重な機会は、いろんな意味で忘れられない体験になりました。
そして、帰る前に、ジャマーアテ・イスラーミー創始者のマウドゥーディーの翻訳本をいただきました。
わー、載せていいんかなぁ。。
右側の本は、日本についての紹介がウルドゥー語で書いてあります。
そしてそして、本日のVIPご対面パート3!
T先生と先生のご家族、そして先生のお知り合いの大勢の作家さん達と共に夕食会。
作家さんはどの方もパキスタンではかなり名の知れた有名人のようです。
というか、T先生も実はかなりの大物作家なんだよなぁ。
自分の詩集もパキスタンで出版しているくらいだし。
大学で授業を受けていると、どうしてもそういう実感がわいてこない。
決して悪い意味ではなく、ただの大物では感じられない親近感がT先生にはあるんです。
T先生の愛孫Fくん(9/1にも登場)と遊ぶ。
チューリヤーンを転がすと、キャッキャ言って喜ぶ姿がとってもかわいらしい★
おもちゃの車みたいに動くものや、転がるものが好きなのかなー。
追いかけっこしたりして、はしゃいでました。
会食後、T先生のお宅にお邪魔する予定になっていたが、
Fくんもすっかりおねむの時間になってしまったので、遠慮することに。
ありゃ、何だかVIPご対面というか、Fくんとのお遊びタイムになってしまったぞ。
T先生たちと別れた後、昨日行った遊園地の方へと向かう。
さすがにもう遊園地は行く元気がないので(そのワケは昨日のきこーを参照!)、
遊園地周辺のショッピング街でお買い物。
初めてCDショップへ入ってみる。
外から見ても、店内に入っても、至って普通のCDショップ。
唯一日本と違うところは、商品のほとんどが「海賊版」ということ。
そう、全部コピーなんです。
その証拠に、まだ日本で公開されてない映画のDVD(VCDかな)が並んでいた。
当然、著作権も何もあったもんじゃない。
一枚100Rs(200円)だったかな。めちゃ激安です。
いけないとわかってはいても、安さにつられて6枚もCDを購入してしまう。
しかし、さすが海賊版というか、パキスタンというか…。
ライナーノーツもコピーですから、当然落丁多数。
そして、Beyonceの「Dangerously In Love」というアルバム。
これも、ジャケットに印刷されてるタイトル間違ってるし。「dangerousty
in love」って何だよ。
そして、ジャケット裏面のビヨ嬢の腰あたりに注目!↓
左が海賊版、右が正規版(日本国内バージョン)です。
海賊版は、腰のところが墨で黒く塗りつぶしてあります。
ヒップハンガージーンズから見えるお尻の割れ目を見えなくするため、みたいです。
っていうか、右側の方はお尻の割れ目見えてないやん。
この程度でも、パキスタンでは過激と捉えられているのかもしれないな。
そういう意味では、なかなか面白いものを購入できた。
でも、海賊版は絶対に買ってはいけません!!
ビヨンセごめんね。