Bangkok(バンコク2日目)
         〜王宮のきらめきと都会の街並みに心躍る日〜

今日の朝は王宮めぐりへ出かけた。

タクシーで王宮周辺まで行くのだが、ホテルロビー前のタクシーはボッタくられるということだったので、
ホテルの前の道路を渡ってから、みんなでタクシーを停めて乗ることに。


タクシーに乗っている間にいろんなことを思い巡らせた。

まさに今、この瞬間の全てがタイの時間であり、五感全てを総動員して、
私は日常から離れタイを味わっている。
見えるもの、聞こえてくるもの、触れるもの、味わうもの、匂ってくるもの。
その全ては、日本にいるときとは全くの異なものであるのだけれど、
それでも私の真ん中を貫く自分自身は何ら変わることはなく、
しぐさや動き、思い考えることは相変わらず自身を保っている。

その事実に気づいたとき、私は自分自身を誇らしく感じた。


王宮めぐりの第一弾はワット・プラケオー。

キンキラキン☆ 守護神

別名:エメラルド寺院ともいい、祭られている仏さんのお顔がエメラルド色。
翡翠で出来た、何とも見事な仏像であった。

プラ・モンドップ チャクリー・マハ・プラサート宮殿

キンキラキンの仏塔といい、タイの仏教は豪華絢爛といった感じである。

というのも、タイの仏教は小乗仏教であるため。
小乗、というのは、少数の高貴な人々のためにある、という意味。
日本や韓国の仏教は、大乗仏教。全体的に荘厳で、悪く言えば地味めな感じ。
一方、タイの小乗仏教は、金や宝石、鏡の細工がほどこされて、
キラキラした寺院や仏像が多数ある。
ワット・プラケオーは、まさにその好例という感じ。

ワット・プラケオーはタイ人にとっても非常に神聖な場所であるらしい。
行きがけに乗ったタクシーの運転手も、この周辺まで来ると、王宮に向かって両手を合わせていた。


それから、歩いて10〜15分ほど行くと、ワット・ポーという寺院もあった。

ワットポー 全身は無理

ここには、バンコク最大の仏さんがいらっしゃる。
お堂に入ると、これまたキンキラキンのどでかい仏像が寝そべっていた。

寺院内にはマッサージ所があり、タイ式マッサージを体験できる。
一度やってもらうとやみ付きになると聞き、みんなやってもらうことに。
しかし、あまりの大人数だったため、ワット・ポーの外にある同じマッサージ屋に案内してもらった。
おいおい、怪しいところに連れてかれたりしないだろうな…。


その支店とおぼしき店に到着。

中に入ると、先に金だという。ますます怪しさ満点である。
疑いつつもお金を払うと、2階にある、涼しくてほの暗い部屋に通され、ベッドに寝かされた。
どうやら、だましではなく、ホンモノらしい。とりあえず、ひと安心。

マッサージ師さんたちは最初に手を合わせた。マッサージの開始だ。
足から始まって、ゆっくりゆっくりと揉み解してくれる。
時おり、「べきっ」「ばきっ」などといわせながら(笑)、背中・腕・肩など全身マッサージしてくれた。
さすが、ツボをしっかりと心得てらっしゃる。グイグイされて痛いということがほとんどなかった。


30分ほどのマッサージを終え、すっきり体が軽くなった。
めちゃめちゃ気持ちよかった♪ 確かにこれはやみつきになる。

あとでわかったことだが、ここワット・ポーはマッサージスクールが有名で、
このスクールの卒業生がタイ各地でマッサージ屋を営んでいるのだという。
ご、ごめんなさい、怪しそうだなんて疑って(>_<)


その後、サイアムセンターという繁華街へ行った。(地図:下A〜B3)
ここはタイの若いコたちが集まる、賑やかな街。すごく大きなショッピングモールがいくつも並んで、
大阪のキタともミナミとも違う、新鮮な都会感があった。

ここでみんな解散し、自由行動となった。
やっぱりどこへ行ってもショッピングは楽しいもんだわ♪
ファッションの流行は最新のもので、日本で今流行っているのとちょっと違っていたけど、
かっこいいブランドの服がいっぱい並んでいた。

紀伊ノ國屋へ行くと、日本で出版されている本や、タイ語に翻訳した日本のマンガなど、いろいろある。
そして、昨日に引き続き、またもドラえもんを発見。
今度は社会科の練習帳。何書いてるか全くわからんけど、とりあえず買っといた。

昼食は、50年代風内装のおしゃれ〜な雰囲気のレストランで。
私はトムヤムクンヌードルを食べた。やっぱタイといえば、トムヤムクンよねっ!


食べてみた。

…辛い!!!

もう舌が真っ赤っ赤になりそうなくらいの辛さ。
エビのサラダも頼んでいたのだが、ドレッシングが微妙に辛くて大変だった。
飲み物で頼んだバナナシェイクに癒されたけど、
昨日のホテルのルームサービスなんて目じゃないほどの辛さ。
パッと見は、ほどほどの辛さ加減に見えたのに…。

教訓その1:タイ料理を一言で表すと、「おとなしそうな顔して、意外とやるやん(--;」…。


ヒーヒー言いながら、サイアムセンターを後にし、センターから直結のサイアム駅へ向かった。
バンコク市内を走る、BTS(スカイトレイン)という、モノレールみたいな電車に乗ることにした。
バンコクに来て初の電車である。


さて、当然ながら、乗る前には切符を買わねばならない。

切符の自動販売機の前に来た。
数字のボタンとコイン投入口があり、その横には駅に番号のふってある路線図がある。

どうやって買うの?

 そこで早速だが、つまづく。


★よし、切符を買うべし! お札を入れるぞよ!

     …えー、この自販機お札使えへんねんけど?!

→解決法:窓口で札をコインに両替してもらう。


★よ、よしっ、気を取り直して、切符を買うべし! コインをチャリーン!
     …えー、この自販機コイン受け付けてくれへんねんけど?!

→解決法:先に路線図で行きたい駅を調べ、その駅の番号のボタンを押してからコインを投入する。


こんな感じで、切符を買うだけなのに、余計な時間がかかってしまったが、何とか切符を手にした。
BTSの切符は、阪急のラガールカードのような、プラスチック製の大きめサイズ。

デザインもいろいろ

擦り傷の入ってるものもたくさんある。きっと何度も使いまわしてるのだろうな。


左の歩道が市場




 そして、ひと駅お隣の、チットロム駅で下車。(
地図:下D4)
 ラチャダムリ通りへと、足を運んだ。(
地図:下C2〜3)

 歩道の両脇に、服や民芸品などのお店が、所狭しと並んでいた。
 大賑わいの通りで、たくさんの人たちが押し合いへし合い歩いていた。
 店を一つ一つ見ていけばキリがないが、どこを見てもおもしろかった。

 明らかにパチモンとわかるブランドバッグとか、
 意味不明なイラストのTシャツ。
 なぜかたくさんあった女性用の下着屋さん。


 やはり私たちが日本人だということはわかるらしく、
 たびたび「Japanese?」と声をかけられた。

 しかし、こんな暑い人ごみの中にいれば、さすがに疲れも出てくる。
 少し頭痛がした。




ちょっと休憩をしようということで、ラチャダムリ通りとプルンチット通りの交差点の角にある、
ワールドトレードセンターで涼むことに。(
地図:下C3)

8月の日本ではまだ未公開の映画広告が

ここもかなり大きくてキレイなショッピングセンターで、
中には伊勢丹も入っていて、高級なお店もたくさんあった。

WTCの向かいにあるゲーソンプラザにも入ってみる。(
地図:下C3右下)
グッチやブルガリ、ルイヴィトンなど、
有名ブランドショップがいろいろあって、リッチな雰囲気だった。
私は高級ブランドに興味はないので、値段を見て「!!!」だったが、
ブランド好きな人が見れば、きっと「安い〜!」と驚くのだろうな。

ゲーソン通りをはさんで西隣にある、プレジデントタワーという高層ビルにも行ってみた。
地図:下D3左下)
さぞかし景色がイイだろう、と思い、上の方の階に行ってみることにした。

ところが、この建物にはル・メリディアン・プレジデントという、超高級ホテルが入っていて、
ロビーからしても雰囲気が明らかに違っていた。
階段でひとつ上、ふたつ上に上がるにつれ、そのゴージャスさは度を増していく。
床がすんごいふわんふわんの絨毯敷きになり、
木目調の格式高い欄干になり、シャンデリアが天井にきらめく。

ジーパンに綿のカーディガンを羽織った姿の私たちは、どう見ても場違いであった。
こりゃ、最上階ともなれば、私たちは即刻つまみ出されるに違いない。
そそくさとタワーを後にする。


再びチットロム駅へ戻り、スカイトレインでホテルの最寄り駅チョンノンシー駅へ向かった。
もう電車も慣れたものである(とか何とか言ってまだ2回目だけど)。
サイアム駅でシーロム方面の線へ乗り換え。無事チョンノンシー駅へ到着した。
地図:B3のS3と丸く書かれてあるところ)

時計は夕方の6時を指そうとしていた。
会社帰りと見受けられる人々でプラットホームは溢れかえった。

階段を降り、改札へ向かう途中、私たちは今しがた起こっていたであろう異変に気づいた。
ついさっきまで、駅にいる大多数の人がその場に静止していて、
あたかも、私たちが電車を降りたその瞬間に、皆が一気に動き出したような気がしたのだ。

私たちは一瞬、面食らった。「何なんだ?! さっきのは…」。

あんなラッシュアワーにもかかわらず、ほとんどの人が明らかに微動だにせず立ち止まっていた。

しかし、なぜ? 先生に聞いてもわからないという。
うーむ、謎は深まるばかり。


 (日本に帰ってきてからわかったことなのだが、実はコレ、タイの習慣だったのだ。
  タイでは、朝8時と夕方6時になると、公共の場に国歌が流され、
  その間、人々は国歌を静聴し、敬意を表する。
  こんな基本的習慣も調べていなかったことに、帰ってから気づかされ、
  しっかり下調べしてから行くものだな、と心底感じた。)


チョンノンシー駅からホテルへは、歩いて10分ほど。
その途中にソフィテルという、これまた超高級ホテルがある。(
地図:B3の左上あたり)
さっきのプレジデントタワーのリベンジ! とばかりに、またしても果敢に中へと入っていった。

ロビーのムーディーな落ち着きに怖気づきながらも、エレベーターに向かう。
最上階のボタンを押す。あっという間に到着。エレベーターの扉が開く。

目の前に、煌びやかなチャイナドレスを纏った女性が立っている。
「上海」という立派な看板が目の前にあり、
奥は見えなかったが、雰囲気のある中華料理店らしかった。
重厚な壁のつくりといい、照明の暗さ加減といい、床に敷き詰められた柔らかな絨毯といい、
私たちがその場に相応しくないことを即座に察知するには、
あまりあるほど十分な条件がそろっていた。

あれっ、階を間違ったのカナ?? なんてしらじらしく言いながら、即刻ソフィテルを後にした。

ようやくナライホテルに到着。今日はいろいろ歩き回って、かなりお疲れモード。
夕食はホテル1階のイタリアンレストランで。
今回ばかりは、さすがに辛いものは厳しい…。


部屋に戻ろうとエレベーターに乗る。
懲りない私たちは、最後のリベンジに、今度はナライホテルの最上階へ行くことにした。

私たちの泊まっている9階を通り過ぎ、最上階の12階へ到着。
エレベーターを降りると、9階とつくりはほとんど同じなのに、やっぱり絨毯敷きの床で、
部屋へ行くほうの壁に「Narai Suite」と書いてある。うわっ。やっぱりスイートか!

とりあえず、エレベーター横の窓を覗いて夜景を見たが、
これじゃあ、9階と変わんないや、と思って12階を後にすることにした。

 エレベーターがなかなか来ないので、エレベーター前の階段で降りることにした。
 3階降りるくらいなら、そう大してしんどくもない。

 階段は、フロアごとにエレベーター前に出てくるつくりになっていた。
 薄暗い階段をおりると、重々しい扉がある。開けると、エレベーター前ホールに出た。
 さっきナライスイートと書いてあったところに、11Fと書いてある。

また階段をおりる。次は10階。

重い扉を開けると、やっぱり同じつくりだ。さっきと同じ、壁のところに10Fと書いてある。
でも、この階はもうスタンダードルームかもしれない。床も普通な感じだったし。
テーブルの上には、誰かが置き忘れたプリントらしき紙が置いてあった。

あー、また同じ階段か。この階段暗くて薄気味悪くて、嫌んなるよ、ったく。
同じく重い扉を開けて、エレベーターホール前に出る。やっぱり同じつくり。
今日は歩き回って疲れたし、さっさと部屋に戻ってシャワーでも浴びよーっと。
そう思って、部屋に向かおうとした、そのときだ。


……?


8F…?


壁に書いてある文字を見て、私たちは目を疑った。

さっき10階だったよな…?
9階は…?

気を取り直して、もう一度重い扉を開けて、上へと上がった。
壁の階数表示を見てみる。

9階だ。


コレはいったい、どういうことなのだろう?

降りてくるごとに扉を開けて、エレベーターの前に出てくるようになっていたし、
その扉も重かったから、無意識に1階とばして降りていた、なんてことはありえない。
階段が10階から9階をとばして8階につながっている、としか考えられない。
でも、8階から階段を上がったときは、9階にちゃんと辿り着いたのだった。


じゃあ、降りるときに9階の扉を開けなかったのはなぜ…?



←8/21へ     Top     8/23へ→