インファナル・アフェア /
Infernal Affairs ('02 香港(中国))
<ストーリー>
ラウ(アンディ・ラウ)は、香港マフィアから警察に送り込まれたスパイ。
ヤン(トニー・レオン)もまた、警察からマフィアに潜入を命じられている身。
2人はそれぞれの組織で、優秀な一員として信頼を集めるようになっていた。
ヤンから覚せい剤取引の情報を受けた警察は一斉検挙を目論むが、ラウの内通によって失敗に終わる。
このことで、双方がスパイの存在に気づき、裏切り者探しが始まる。ついにラウとヤンの対決の時がきた…。
<評価>
★★★★★(五つ星級!!)
<かんそー>
いやぁ、こりゃあやられました。
ここまでおもしろい映画とは、正直、思ってなかったです。
映画館で働いてると、何となく傾向というものがわかってくるものだ。
私たちは遅くとも数ヶ月前には公開になる映画のタイトルを知ることになるが、
それぞれの映画のチラシや出演者、ジャンルなどから判断して、
どれがヒットしてどれがヒットしなさそうか、おおよその察しがつく。
でも、最近はそれが裏切られつつあって、
たとえば、「シービスケット」は見事に裏切られた。
出演トビー・マグワイア?競馬の話?これは無理でしょー!
競馬好きのおっちゃんしか観に来ないって。
ところが、意外や意外、周りの評価も上々、客入りも上々。
映画というのはわからんもんだ。
それが、まさに、この映画もそうだった。
「インファナル・アフェア」?インファナルじゃなくてインファイナルじゃないの?
(このテの間違いは多い。うちの映画館のお客さんの半数はインファイナルと言っていた)
香港映画ねぇ。トニー・レオンにアンディ・ラウ。うーん。
なんか男くさそうやし、超びみょー。ウチもヤバイもんを上映するなぁ。
なーんて思っていた。
が、その予想を見事なまでに裏切ってくれました。
最初こそ大ヒットというわけではなかったけど、次第に客足は伸びていったのです。
観た人全員が「めちゃおもろい!」「意外な展開!」とスゴイ高評価をつける。
Yahoo!映画の掲示板も、常に星は4つ以上をキープ。その他の映画サイトでも評価は高かった。
ぇえ〜、マジっすかぁ?そこまでそろってスゴイスゴイって言うほどイイのかぁ。
まーだまされたと思ってみてみるか…。
結論。
だまされて良かったです、ホントに。
こんなにおもしろいとは!すごい!思わず拍手を送りそうになった。
まず、脚本がすばらしい。
主役2人の苦悩がリアルに描かれているのはもちろんのこと、
その他の細部にいたるディテールの細やかさには、思わず唸った。
何が善で何が悪か?誰が善人で誰が悪人か?
ボスのサム(エリック・ツァン)からも麻薬取引を任されるようにもなっていたヤンは、
実は警察からのマフィア潜入捜査官である。
彼は長年の潜入で疲れ、精神を病んでいたが、
唯一彼の真実を知るウォン警視(アンソニー・ウォン)には忠実に内部情報を渡し続け、
一日も早く警察官に戻り真っ当な人生を送ることを願っている。
ウォン警視とは長年の信頼関係が成り立っているようで、
普段はしない腕時計も、警視のプレゼントの腕時計はは律儀につけていたりと、なかなかかわいらしい。
<以下、ネタバレ>
だからこそ、ウォン警視が殺され、ビルの屋上から落とされてきたときの彼の衝撃といったら、
言葉にはできない、相当なものだったであろうと想像にあまりある。
<以上、ネタバレ>
この事件がきっかけで、ヤンとラウは接近する。
一方のラウも、敏腕警察官の裏ではマフィアからのスパイでもあったが、
この一件でマフィアに嫌気がさし、善の道に生きることを誓う。
<以下、ネタバレ>
そのためには、本当の自分のことを知っているやつを消さないといけない。
電話でヤンと手を組んでサムを追い詰め、ラウ自らの手でサムを殺害。
しかし、ヤンはラウのデスクで、自分がマフィアで書いた書類を見つけてしまう…。
<以上、ネタバレ>
結末は賛否両論あるが、私は気に入ってます。
それに、主役二人がとてもカッコイイ!
トニー・レオンは、「花様年華」のときに渋い俳優さんだなぁとホレボレしましたが、
今回のもダークな感じがこれまた素晴らしいです。
それから、アンディ・ラウ。いやぁ、まいったまいった。
かっこよすぎですよ。一目ぼれ状態。
彼の映画はコレが初めてだったけど、あの端正な顔つき、たまらんねぇ。
クールな演技もサイコーですわよ!
その後、アンディが来日した「フルタイムキラー」試写会に応募したぐらいだからねぇ。。
ハリウッドでリメイクを作るなんて言ってるけど、
果たしてこれを超えられるのかな。
(鑑賞日 2003・11・4)
(記入日 2005・2・4)