シービスケット / Seabiscuit ('03 アメリカ)


<ストーリー>

1929年の大恐慌で、一家離散に遭った天涯孤の騎手、ジョニー・“レッド”・ポラード(トビー・マグワイア)。
愛する者全てを失った西部の自動車王、チャールズ・ハワード(ジェフ・ブリッジス)。
そして、近代化の波によって、故郷とも言うべき“西部”を奪われた孤独なカウボーイ、トム・スミス(クリス・クーパー)。
そんな3人がひかれあうようにして出会ったのが、一頭の馬、“シービスケット”だった。
小柄で気性が荒く、何人もの調教師に見放されたシービスケットが、人々に希望をもたらす…。



<評価>


★★★☆☆(三つ星級)



<かんそー


ハリウッドっぽいなぁ。アカデミー協会が気に入りそうな話だ。
いやいや、悪い意味ではなくてね。

お馬さん、すごいね。あれ、演技というか、そういう風に動くように仕付けてるんよね。
素晴らしい。悲しそうな目とか、見てると愛しくなる。馬主になりたいわ。
それから、レースで争うシーンも、思わず興奮。
元々競馬好きないっぴーでありまして(といっても、お父さんの競馬予想を手伝う程度ですが)、
シービスケットが勝利したときは「よっしゃぁ〜」ってガッツポーズしたくなる衝動に駆られました。燃えました。

と、そういうシーンをいっぱい観たかったのに、名馬ウォーアドミラルに勝利してからの展開が速すぎ。
そこらへんが結構この話の見どころなんじゃないの?
レッドが足を怪我して、シービスケットも足が悪くて、とかその辺って、かなりドラマティックな展開だと思うんですが。

前半の、3人がシービスケットに出会うまでを回想程度でコンパクトにしておいて、
後半の挫折と再起の部分をもっと膨らませてほしかったな。めちゃイイお話なのに。
それとも、お馬さんより人間にスポットライトを当てているから、あの構成になったのかな?

感動的なのは、3人の強い絆だね。特に、レッドとハワードさん。
家族を失くして孤独だったから、お互いの存在を、父親として、子供として重ね合わせているのかな。

それにしても、トビー・マグワイアは昔のお話が似合うな。
「サイダー・ハウス・ルール」でもいい感じの役をやってたしな。
いやぁ、改めて見ると、トビーかっこいいね。新たな発見だわ。
シービスケットに出会って、森の中をともに駆け抜けるあのシーン、素敵でした。
トビー、すごく楽しそうに馬に乗ってるんやもん。そりゃ「うほほーい」って叫ぶわ(←えっ、ちょっと違うって?!)。
とにかく、すごく輝いてました。

あと、も一人ヨイなぁと思ったのが、マーセラ役のエリザベス・バンクス。
新人さんかしら、と思っていたら、実は出てました。
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」で、主人公に詐欺の手法を教えてしまった銀行員のおネエさん。
あぁ、いたねぇ。そーいや、あれも昔のお話だった。
ちょっと前の時代のレトロな雰囲気が似合う女優さん。
なかなかああいう端麗な顔立ちと雰囲気は出せないですよ。これからグッとくるんじゃないでしょうか。


(鑑賞日 2004・2・19)
(記入日 2004・3・5)


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