ターミナル/ The Terminal ('04 アメリカ)


<ストーリー>

ビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)は、東欧の小国・クラコウジアから、ある約束を果たそうとJFK国際空港までやって来た。
ところが、空港ロビーのTVで衝撃の知らせが。クラコウジアでクーデターが発生、事実上国家が消滅するという。
このことでパスポートは無効、アメリカへの入国を拒否される。さらに、国の情勢も不安定で帰国もできず、空港で足止めをくらうことに。
ビクターは英語も分からずドルも持っていない。やむを得ずこのターミナルで生活しつつ、事態が改善するのを待つことに…。


<評価>

☆★★★★(四つ星級)


<かんそー

よかったです。はい。以上。
そんな映画です。すみません。

何か、すごい感動して涙がとか、特にコレが心に残ったとか、
取り立ててそういうのが私はなかったです。
いや、素敵な映画に変わりはないのだが…。

イイ言い方(かどうかも疑問だが?)をすれば、後味爽やかな心温まる映画。
悪い言い方をすれば、当たり障りのない無難な映画。

「空港から出られず、生活することになってしまった男…」
話のさわりを聞くだけでもとっても面白そう。
おまけに、主人公はトム・ハンクスにキャサリン・ゼタ・ジョーンズ。
製作は天下のスティーブン・スピルバーグ
キャストもスタッフも豪華顔ぶれ。

何もかも申し分なくて、とてもイイはずなのに、いまひとつグッとこないのは…?
パッとしてるけどしてない。充分なはずなのに、なんか足りてない。

思うに、主役がトムとキャサリンじゃなかったらどうだろう?
製作もスピルバーグじゃなかったとしたら?
あれほど大ヒットしていただろうか?

どうもキャストにごまかされて「感動の大作」的扱いになってしまってるけど、
本当にものすごく皆の心に残る作品だったのか?
最初の宣伝段階で、私はかなり期待してしまっていたから、
思わず拍子抜けしてしまったんだが、そう感じてるのは私だけか?

もっとミニシアター的にやってれば、それなりによかったかも。
ミニシアターがイイとか悪いとかそういうワケじゃないです。
内容的には、ミニシアターでやった方が合うんじゃないか、と思うような雰囲気の話だったので。

イイんだけど、普通。恋愛でもよくあるじゃないですか。
「優しくてイイ人なんだけど、イイ人止まりなのよね…」っていう人。
まさにそういう映画です。

いや、ホントに悪い映画ではないのですよ。えぇ。
むしろ、ジャンルとしては、結構好きな方です。
観終わった後にちょっぴり幸せな気分になる、あの感じがすごく好き。
あと、さっきは肩透かしだなんて言ったけど、あの結末も意外と好きです。

とにかく、何にも考えずに観るとすごくイイですねぇ。

それと、俳優陣もなんだかんだ言ってやっぱり素晴らしい。
まず、キャサリン・ゼタ・ジョーンズのあの妖艶で謎めいた雰囲気と、
つやつやとした赤い唇がホントに素敵です。
アンジェリーナ・ジョリーもキャサリンと同様の唇セクシー女優とはいえ、
肉体派の彼女がこれをやると、多分変にエロさがでてしまうと思う。
ある程度清楚な感じ漂うキャサリンがこの役にはぴったりです。

それから、トム・ハンクスはホントにすごい!
こういうコメディー要素も交えたヒューマンドラマをやらせたら、彼の右に出る者はいないかも。
ビクターの出身地になっていた架空の国クラコウジア国の言葉も、
トムがブルガリア人の友達の話し方を参考にして、自ら考えたらしい。
何かそれっぽかったもん。ボソボソとしたしゃべり方が、ロシア風で東欧系な感じ。

唯一の悪役?だったディクソンさん。この俳優さんもなかなか渋い役です。
スタンリー・トゥッチという俳優さん。調べてみたら、かなりいろんな映画に出てるみたいですな。
ハリウッド版「Shall We Dance?」にも出演されるそうです。

あと、個人的に気に入ったのが、清掃係のインド人のおっちゃん。イイ味出してました◎
その他の空港スタッフのみんなもあったかくてイイ人ばかり。
素敵な人に囲まれて、ビクターはかなりラッキーだったのかもね。


(鑑賞日 2004・12・28)
(記入日 2005・3・18)


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