ミスティック・リバー / Mystic River ('03 アメリカ)


<ストーリー>

ボストンの小さな街の路上で、ジミー、ショーン、デイブの3人が遊んでいた。
そこへ、警官を模した男が近づいてきて、デイブだけをさらっていった。
数日後、彼は戻ってきた。監禁され、暴行された無残な姿で。
25年後、同じ地区でジミー(ショーン・ペン)の最愛の娘が惨殺され、死体となって発見される。
捜査にあたるのはショーン(ケビン・ベーコン)。その捜査線上には、容疑者としてデイブ(ティム・ロビンス)の名が…。


<評価>

★★★★☆(四つ星級)


<かんそー

良くも悪くもアカデミーっぽい。話は悪くない。
むしろ、すごくわかりやすい。←コレ!そう、コレがね、なんか肩透かしを食らったというか、納得いかんのです。
何となく、もっと内面的で難解なお話なのかなーって心構えていたのにさ。まぁイイんだけどね。

オチがね、かわいそうだね。救いようがない。
でも、あれでイイのか?
ラストの方のジミーの奥さん、あれ何?この世界の支配者?どーゆーこと?
何だか変に空恐ろしいものを感じてしまったよ。

そして、最後のパレードのシーンね。
ショーン(←ペンじゃないよ、ケビン・ベーコンの役名ね)、明らかにジミーが怪しいんだから、捕まえろよ。
自分が奥さんと元サヤに戻ったからって慢心してるのか?
まぁ、でもあそこで捕まえて云々、ってやらないで終わる方が、作品的には余韻があってイイのかもしれないけどね。

しかし、この作品の役者ときたら、すごすぎる。
ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコン。3人の名演には恐れ入ります。

何だろうね。何が違うんだろう。
普通、映画を観ていて「うわ、この人演技すげぇ」ってそうそう思うもんじゃない。
でも、この映画は3人が3人とも素晴らしい演技をしていた。
嫌味もわざとらしさも不自然さもない。
役そのものが、彼ら本人に乗り移ったかのような、
あるいは、その役が前から彼ら自身だったかのような、そんな感じ。
それくらい演じ、なりきっていた。スゴイ演技と演技のぶつかり合いで、観ごたえたっぷりの作品です。

アカデミー賞では、ショーン・ペンが主演男優賞、ティム・ロビンスが助演男優賞を受賞したが、
まぁ当然の結果だと思う。だって本当にすごいもん。
助演にノミネートしてたサムライの謙さんもスゴかったし、同じ日本人として受賞してほしいとは思ったけど、
ティムのあの演技は、他の追随を許さんくらいのものだったと思うぞ。

しかし、ケビン・ベーコンもすごかったんだ!
あまりにティムが良すぎて、アカデミーはおろか、ゴールデングローブ賞にだってノミネートされなかったけど。
この人はいつもいつも悪役ばかりで嫌な印象しかないけど、私はずっと前から応援してるぞー。がんばれケビン☆

それと、オマケでびっくりだったのが、この映画の音楽担当。
なんと、クリント・イーストウッド監督が担当しているのだった!
クリントに音楽の才能まであるなんて。すごいねぇ。


(鑑賞日 2004・2・1)
(記入日 2004・3・5)


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